新刊書籍案内(内容詳細) 技術者一人一冊必携の書です
●この書籍は、日本海事協会(ClassNK)の「構造用接着剤使用のためのガイドライン(2015/12発行)」作成の参考資料としても使われています。
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[ 好評発売中]
自動車軽量化のための接着接合入門
原賀康介、佐藤千明 共著
2015年2月26日発刊予定
日刊工業新聞社
A5判並製 216ページ
定価 本体2,500円+消費税
詳細目次
第1章 接着接合による車体軽量化への期待
1.自動車の車体軽量化と接着接合の必要性
2.現状における接着接合の車体構造への適用
2.1 現状での接着剤の適用箇所
2.2 スチール製車体の接着接合,最近の動向
2.3 アルミ製車体の接着接合,最近の動向
2.4 プラスチック材料の車体への適用と接着接合
2.5 複合材料の車体への適用と接着接合
3.今後の車体軽量化への取組みと接着接合技術
3.1 マルチマテリアル化
3.2 組立工程への適合性
3.3 接着剤の硬化速度の問題
3.4 今後求められるブレークスルー
3.4.1 接着剤の粘弾性制御による熱応力緩和
3.4.2 傾斜物性継手の適用
3.4.3 インプロセス塗装,アウトプロセス塗装への対応
3.4.4 共有結合接着の実現
3.4.5 新規のファスナ開発と接着との併用
4.革新的開発への取組みの姿勢
4.1 材料の変化に振り回されない接着技術の開発
4.2 既成概念にとらわれない接着プロセスの最適化
4.3 接着技術にも求められる環境対応
第2章 接合法の種類
1.接合法の種類
1.1 機械的接合
(1)弾性変形による接合
(1.1)ねじ、ボルト・ナット締結 (1.2)2ピースタイプ・ブラインドリベット
(1.3)圧入 (1.4)釘
(1.5)焼きバメ、冷やしバメ (1.6)スナップフィット
(1.7)すきまに板ばねを挟む、ねじで押える (1.8)くさび
(2)形状的固定
(2.1)凹凸によるかみ合わせ (2.2)キー溝にキーを入れる
(2.3)ピンによる接合 (2.4)穴とプラスチックのダボの溶融つぶし
(2.5)差し込み (2.6)ヘミング曲げによる抱き込み
(2.7)縫い合せ (2.8)面ファスナー(マジックテープ)
(2.9)縛り付け
(3)塑性変形による接合
(3.1)ソリッド・リベット (3.2)抵抗かしめ
(3.3)1ピースタイプ・ブラインドリベット (3.4)SPR(Self-Pierce Rivet)
(3.5)セルフタップねじ (3.6)FDS®(Flow Drill Screw)
(3.7)Solid punch rivet (3.8)圧入ナット、圧入ねじ
(3.9)ブラインドナット (3.10)はとめ
(3.11)ステープラー (3.12)バーリングかしめ
(3.13)プレス突起の押しつぶし (3.14)メカニカルクリンチング
(3.15)巻締 (3.16)ダボかしめ
(3.17)押しつぶし(圧着)
1.2 液相/液相接合
(1)金属同士の溶接
(1.1)ガス溶接 (1.2)アーク溶接 (1.3)プラズマ・アーク溶接
(1.4)レーザー溶接 (1.5)電子ビーム溶接
(1.6)抵抗溶接
①スポット溶接 ②シーム溶接 ③プロジェクション溶接 ④高周波抵抗溶接
(2)熱可塑性プラスチック同士の融着
(2.1)熱風溶接 (2.2)フロー溶接 (2.3)熱板溶着
(2.4)ヒートシール (2.5)レーザー溶接 (2.6)超音波溶着
(2.7)摩擦溶着 (2.8)スピン溶接 (2.9)高周波溶着
(2.10)通電加熱溶着 (2.11)溶剤接着
(3)その他の材料の溶着法
(3.1)再活性接着法 (3.2)ガラス同士の溶着
1.3 固相/固相圧接
(1)金属同士の接合
(1.1)熱間圧接 (1.2)冷間圧接 (1.3)拡散接合
(1.4)摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)
(2)金属以外の接合
(2.1)ゴム同士の自着(自己融着) (2.2)ゴムとスチールの直接接着
(2.3)粘着テープ、シート (2.4)セラミックの接合
(2.5)磁力による接合
1.4 固相/液相接合
(1)金属による接合
(1.1)ろう付 (1.2)半田付け (1.3)鋳ぐるみ
(2)金属以外の材料による接合
(2.1)接着 (2.2)投錨接合 (2.3)埋め込み
1.5 複合接合法
2.各種接合法の長所と短所
2.1 アーク溶接よる組立て
2.2 スポット溶接よる組立て
2.3 ボルト・ナットによる組立て
2.4 ブラインドリベットによる組立て
2.5 接着剤による組立て
2.6 複合接着接合法による組立て
3.自動車の車体における材料と接合法
3.1 自動車の車体における材料
(1)鋼材 (2)アルミニウム合金 (3)亜鉛めっき鋼板
(4)その他の金属 (5)複合材料 (6)プラスチック
3.2 車体の材料と接合方法
(1)鋼板/鋼板 (2)アルミ/アルミ (3)アルミ/鋼
(4)複合材料
(4.1)複合材料/複合材料 (4.2)複合材料/金属
第3章 接着剤による接合・組立技術
1.日本の接着技術の世界的レベルと現状
2.接着と他の接合法の比較
3.接着の特徴・機能と得られる効果
(1)異種材料の接合―適材適所の材料選定―
(2)低温接合
(2.1)接合歪みや変形の防止 (2.2)熱に弱い材料の接合
(3)低歪みの接合
(4)接合に力を要しない-部品の高精度位置合わせ、平坦度確保-
(5)面接合
(5.1)薄板の高強度接合 (5.2)剛性向上
(6)隙間充填性
(6.1)部品の加工精度の吸収や低減、高精度位置決め
(6.2)電食防止 (6.3)シール性
(6.4)振動吸収性 (6.5)熱的、光学的機能の向上
(7)熟練技能が不要
(8)大がかりな設備が不要
(9)低エネルギー接合-組立工程の省エネルギー化-
(10)火気レス工法
(11)部品の表面での接合-小型化、高密度化-
4.接着の欠点
(1)界面を有する結合である
(2)化学的な反応や結合が接着強度のベースである
(3)液体を使用する接合法である (4)接着剤の選定が難しい
(5)被着材料によって接着性が異なる (6)温度の影響を受けやすい
(7)耐久性に不安がある (8)設計基準が明確でない
(9)手離れが悪い (10)やりなおしが困難
(11)接着したあとの検査が困難
5.接着の欠点を補完する複合接着接合法
5.1 複合接着接合法の種類
5.2 複合接着接合の事例
(1)自動車の車体組立てにおける複合接着接合
(2)室温硬化型接着剤による複合接着接合の事例
5.3 併用接合の目的と効果
(1)接着剤の欠点の解決
(1.1)作業性の改善―硬化待ち時間の廃止―
(1.2)強度的信頼性の改善
①破壊に対する冗長性の拡大 ②クリープの防止
③高温での接着強度の低下の防止 ④疲労特性の向上
⑤はく離開始点の保護⑥耐衝撃性の向上
(1.3)その他
①導電性の確保 ②火災時の形状保持
(2)他の接合法の課題解決
①薄板での点接合の強度の改善 ②シール性の確保
(3)両者の相乗効果の活用
5.4 ウェルドボンディングのポイント
(1)スポット溶接の原理と最適条件
(2)ウェルドボンディングにおける溶接条件
(2.1)中チリの抑制 (2.2)接着剤中の充填剤の影響
(2.3)必要ナゲット径 (2.4)フィルム状接着剤のウェルドボンディング
5.5 プロジェクション溶接との併用
第4章 自動車の材料多様化に対応する接着技術の課題
1.接着接合に何を期待するか
(1)高強度接合 (2)応力集中の回避 (3)剛性向上
(4)振動防止 (5)溶接性の低下対策 (6)シール
2.車体組立用接着剤に必要な性能と接着剤の現状
2.1 車体組立用接着剤に必要な性能
(1)作業性
①取扱いの容易さ(温度・湿度への鈍感さ)
②塗布しやすくたれのない粘度 ③隙間充填性
④塗布装置の簡便さ(繰返し吐出性、洗浄性) ⑤油面接着性
⑥短時間硬化性
⑦ウェルドボンディング適性
(2)樹脂の特性
①低内部応力 ②耐塗装性 ③絶縁性
④シール性 ⑤難燃性
(3)接合特性
①各種材料への接着性 ②耐衝撃性 ③高温強度
④振動吸収性 ⑤信頼性⑥耐久性
(4)その他
①保存安定性 ②グローバル調達のし易さ ③法規制対応
④硬化後の臭気 ⑤作業者へのやさしさ ⑥廃棄のし易さ
2.2 接着剤の現状
3.車体組立における接着接合活用の方向性
3.1 基本的考え方
3.2 接着剤のバルク特性の作り込み
(1)強靱性 (2)室温硬化性
3.3 表面の改質
3.4 表層破壊の回避
3.5 複合接着接合法の活用
3.6 接着剤の固着時間と可使時間の比率の短縮
3.7 今後期待される接着剤
3.8 接着評価における課題
3.9 接着部の検査と補修、解体、リサイクル
第5章 信頼性の高い接着接合を行うためのポイント
1.接着の強度信頼性確保のための指針
1.1 高信頼性接着とは
1.2 信頼性確保のための基本的な考え方
1.3 破壊状態
1.4 接着強度の変動係数
1.5 設計許容強度以下で設計すること
1.5.1 接着の実力強度
(1)破断強度と平均強度
(2)接着の実力強度に影響する因子
①接着強度の温度依存性 ②接着強度のばらつき ③内部破壊の発生
④劣化による強度低下とばらつきの増加
(3)内部破壊発生開始強度
①静的荷重のみが加わる場合 ②高サイクル疲労が加わる場合
③低サイクル疲労が加わる場合
1.5.2 接着強度の設計基準
(1)設計基準強度と設計許容強度 (2)設計基準強度 (3)設計許容強度
1.5.3 設計許容強度による設計
2.設計上のポイント
2.1 接着層の厚さ
2.2 接着剤の硬さ、伸び
2.3 引張り速度と接着強度
2.4 材料強度と接着強度
2.5 耐久性の作り込み
(1)耐久性は設計マターである
(2)耐水性・耐湿性の設計
①接着部の形状・寸法 ②細長い接着部における接着部の幅
③致命的損傷が少ない接着系の選択方法
2.6 複合接着接合法による耐久信頼性の向上
3.施工上のポイント
3.1 表面改質による接着信頼性の向上
(1)表面改質の採用
(2)表面改質時の注意点
3.2 部品の接着適性の判定法
3.3 プライマーによる処理とプライマーの塗布量
3.4 接着面の粗面化における注意点
3.5 接着作業時の湿度
3.6s その他の注意事項
(1)接着部への空気の巻き込み
(2)接着剤中への空気の溶け込み
(3)加圧力
(4)二度加圧
(5)接着剤のはみだし
(6)可使時間
(7)加温は部品の接着部を加熱する
(8)急速硬化、急冷は歪みの元
第6章 機能、生産性、コストを並立させる接着剤
1.二液室温硬化型アクリル系接着剤(SGA)の種類
2.二液主剤型SGAの諸特性
2.1 成分と硬化反応
2.2 作業性
(1)油面接着性 (2)短時間硬化性
(3)配合比
①許容範囲の広さ ②配合比の可視化
(4)混合の簡易さ (5)塗布方法の多様さ
(6)塗布装置
①計量ポンプが不要 ②ミキサーの硬化防止(空気洗浄)
③温度による粘度変化
(7)はみ出し部の硬化性(8)硬化状態の可視化
(9)接着層厚さの管理 (10)作業環境の影響
2.3 強度特性
(1)海島構造 (2)接着強度のバランス (3)被着材料との相性
(4)高温強度、低温強度(5)振動吸収性 (6)傾斜機能の付与
2.4 耐久性
(1)屋外暴露耐久性 (2)耐湿性、乾燥回復性 (3)耐熱劣化性
(4)耐ヒートサイクル性(5)疲労特性 (6)応力緩和特性、クリープ特性
2.5 その他の特性
(1)スポット溶接性 (2)硬化収縮歪み、変形
(3)後加工性
①焼付け塗装性 ②接着後の溶接性
(4)難燃性
2.6 信頼性
(1)接着強度のばらつき(2)接着強度の再現性
2.7 SGAの欠点
(1)臭気 (2)消防法の危険物 (3)接着剤の価格
3.SGAの現状と今後
エポキシ、ウレタン、SGAの比較
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株式会社 原賀接着技術コンサルタント